サウスパーク season21 e03感想 ”Holiday Special”
今週公開された、s21e03の感想です。
今回のテーマは、アメリカ全土におけるコロンブス像撤去問題。1ヶ月半くらい前にアメリカ中で話題になりました。
視聴はこちらから。
では追記であらすじと感想。
(2017/10/1 少し追記しました。オチがちゃんとかみ砕けてなかったです)
(2017/10/12 さらにネタの解説を追記しました。)
「コロンブス記念日」なる祝日が廃止になるとの告知を受け、大荒れの生徒たち。
クライドとか火を持ってますね…怖い怖い。祝日はそれだけ死活問題。
なんでも、先住民を虐殺したコロンブスを祝うなんてありえないとかで。発端はもちろんサウスパーク1のトラブルメーカーであるランディ。
保護者会でランディの名前が出た時の(ああ、やっぱり…)みたいな反応、すごく好き。
当の本人は、コロンバスのコロンブス像を引き倒すなど精力的に活動しています。ただし周りは若干引き気味。
スタンが説得しようとしてもどこ吹く風。なにが彼をそこまで必死にさせているのでしょうか。
ニューヨークのコロンブスサークルも当然狙われています。しかしひっどいTシャツだ
スタンとカイルは、かつてのランディは至る所でコスプレをするほどのコロンブスファンであったことを発見します。なんと結婚式でもコロンブスのコスチュームを着ていたほど。
だから、自分が人種差別主義者のレッテルを貼られないために過剰に叩いていたみたいですね。まあ前科あるしねこの人(s11e01参照)
DNA調査の存在を知るランディ。自分の先祖はどんな人種だったのか分かるらしいです。
自分の先祖がネイティブアメリカンなら、コロンブスを叩くのにより一層正当性が!
その調査方法は、口の中の粘膜を採取して送ること。というわけで、ネイティブアメリカンの男性と熱いディープキスをするランディ。
グチョグチョ音がしてかなーり生々しいです。
結果、ランディに恋をしてしまうネイティブアメリカンの男性。
純情で可愛いですね。
先ほどのランディの画像について、学校の暦を設定する役員に伝える生徒達。しかしソースがInstagramだという理由で、全く信じてもらえません。
当然迷惑なランディ、しつこい男性についに実力行使で家から追い出します。そして家にある、コロンブスのコスプレ衣装も片付けようとするランディ。
どう見ても、コロンブス信奉者による人種差別です、本当にありがとうございました。
目撃者もいた模様。
好転しない状況、そして旧・コロンブス記念日はもうすぐです。学校に行かないと行けないと、誰しもが諦めていたその時、カートマンが動き出す。やっぱりこの構図だよなあ
肝心のDNA調査はといえば、不審点が見つかったとかで今度は肛門の粘膜を採取することになりました。流石に対処のしようがなく、途方にくれるランディ。
ランディによる暴力シーンは、目撃者に撮影されていたらしく、その映像を学校行事を設定する役員に見せるカートマン達。
鑑定結果を盗もうとする努力もむなしく、現実と向き合う時間。案の定ネイティブアメリカンの血はなく、普通のコーカソイドだったランディ。
でも実は、ホモ・サピエンスに駆逐されたはずのネアンデルタール人の血が人より少し多く混じっている、珍しいDNAを持っていました。
ランディの過去を知った役員はランディを責めます。が…
「かつてネアンデルタール人を絶滅に追いやったホモ・サピエンスめ!!」と逆ギレするランディ。
しかしネイティブアメリカンの彼に諭されます。「そろそろ、自分が本当は誰なのかに、向き合うべきじゃあないのか?」
そしてランディもとうとう認めます。常に自分が被害者であれば、何もかも解決すると思っていたと。これ、いろんな人に通ずるんじゃないでしょうか?
結局祝日は戻ってきましたが、コロンブス記念日の代わりに「先住民の日」にすると言うランディ。その日は誰しもが持つ悲しい気持ちを味わう為の記念日で、その為にお互いをなじり、侮辱しろとのこと。何が祝日やねん!保護者たちの罵声を受け止めるランディで幕。
コロンブスサークルのシーンなどもそうなのですが、この話の肝はランディが「indignant(自分が受けた行為に対して憤慨すること)」と「indigenous(先住民、固有な)」を勘違いしていることです。なので、彼の意図としては「憤慨の日」みたいなイメージだったのでしょうが、実際は奇天烈な事を言っているので罵声を浴びる→でも罵声はランディの趣旨的には間違ってないから勘違いしたまんま…って感じですかね。私も最初は全然分かりませんでしたが、とても秀逸なオチですね。以下の海外レビューサイトに解説があります。
https://411mania.com/movies/south-park-21-3-review-holiday-special/
今回も古き良きサウスパークといった展開で楽しめました。
しかし人の深層心理を指摘する内容で結構ぐさぐさ来ますね。ランディの、「常に被害者でいれば解決すると思った」というところ、とても大事なポイントだと思います。「ホロコースト」という言葉を自分たち以外に使うのを認めないユダヤ人や、政府間合意を経てもなお日本を攻め続ける韓国なども、このような動機があるんじゃないかと思いますね。こういうところをビシッと風刺できるサウスパークはかっこいい。
カートマンは反大人・反権力の先導でいる時が一番輝いているなあ。
来週はサウスパークがお休みなので寂しいです…おそ松でも観ようかな。そろそろバターズ回がきて欲しいです。バターズ好きなんで。